本紹介(4冊目)

新年あけましておめでとうございます。

皆様、2026年は何か抱負などおありでしょうか。

私は買うだけで読めていない、所謂「積読」をなるべく解消していきたいなというのが私生活での目下の目標です。

とは言いつつも、今回も性懲りもなく新しく購入した本なのですが…。

 

ご紹介するのは、川野芽生さんの『月面文字翻訳一例』です。

この本は完全に表紙&帯買いでした。

前回ご紹介した円城塔さんが帯にコメントを寄せていらっしゃるのですが、

それが「誰もが探していたのに 見つからなかったお話たちが、 こうした本に育っていたのを みつけたのは、あなた。」

なんだか少しドキッとさせられるような、蠱惑的なフレーズですよね。

 

中身はすべからく「月」に関する短編で2-3ページの内容が多いのですが、とにかく一つ一つが」濃い。

比較的読みやすい文章にもかかわらず、独特の浮遊感とずっしりした読後感、そして暗い話の中にも月の光に似た静かな美しさに満ちています。

 

月は地球に対して常に一定の面しか見せておらず、その裏側は地上からは見えないのだそうです。

この本はそんな月の裏までうっかりのぞき込んでしまったような気分にさせられました。

 

長々と語ってしまいましたが、幻想的ながら読みやすく、表紙も綺麗でおすすめできる一冊です。

年末年始の忙しさも落ち着いてくるころ、息抜きに短編集でもお手に取られてみてはいかがでしょうか。

名古屋営業所 稲垣まりな