こたつ礼賛

11月中旬の日曜日いよいよ我が家では待望のこたつを出してもらえました。

私は寒いのが大、大苦手でもっと早く出して欲しかったのですが、そこは家庭事情がいろいろあり何とか妥協点を見つけ実現しました。

その日の夕方たまたま孫が来てこたつを見るやいなやもぐりこみ 私こたつ大好き とボソッと言ってくれました。

わが意を得たりと私はそうだろ、そうだろと言いながら数少ない味方にエールを送り、特等席を彼女に譲りながらニヤニヤ、デレデレと一緒にビデオを見、こたつの好きなもう一人の方を思い浮かべていました。

その人は多分私と同年代で、やはり一日中こたつに入っていたいと繰り返し言っています。

寒さきらいが私と同じだけで他は全く異なる偉大な剣術家です。剣道家でなく剣術家 剣客です。

名前は秋山小兵衛。そう小説家 池波正太郎さんの剣客商売の主人公です。

時代小説大好きな私は池波作品をほとんど読んでいますが、取り分け秋山小兵衛が好きで全20巻を繰り返し読んでいます。

ちょうど、ビデオテープのオートリバースよろしく終わったらまた最初からあるいは途中からと本当に飽きません。

最近は、秋山小兵衛はテレビやビデオでなく、自分の頭の中にあるイメージの方が本物だと感じています。

また秋山小兵衛(池波正太郎)は、食べ物をシンプルに美味しく描いてくれることもリアリティーが出る要素です。大根と浅利の鍋を食べながら、見えてないのに あっ雪が降ってきた と感じる、書ける、目に浮かばさせる、それもこたつに入っているからこそです。

ちなみに私は独り住まいなら一年中こたつを出していると思います。

夏はさすがに足を入れませんが布団はかけたままです。

末廣予信